
以前の職場で一緒に働いていた後輩(元ホスト)から連絡があった。
「今日この後ホストの体験入店に行くんですけど、一緒にどうですか?」
と。
確かに彼には以前、
- ホストに興味があること
- 若いときにホストも経験しておくべきだった
- この歳でも行けるなら体験入店だけでもしてみたい
という感じの話をしていた。そのとき「じゃあ今度一緒に体験行きましょう」と言ってくれていたけれど、まさかこんなすぐにお誘いが来るとは思っていなかった。
「30分後ぐらいには面接がある」ということで、少しビビりながらもせっかくなので「行く」と返事をして、風呂にも入らず私服のまま家を出た。
ラフな格好のイケメン登場
「ぎゃるる」(出会いアプリ)で新たに捕まえたギャル姉妹の家にさっきまでいたという後輩と合流して、待ち合わせの場所へ向かう。
待ち合わせ場所のビルの一階で待っていると辺りはホストだらけだった。
数分後にかなりラフな格好をした彫りの深いイケメンが登場。どうやら彼が今日お世話になるホストクラブの代表らしい。軽く挨拶をすると僕らをホストクラブまで案内してくれた。
僕らはオープン前のホストクラブに入店した。
面接→アラフォーホスト爆誕
店内には私服を来たホストが集まって話をしていた。そう、最近はスーツではなくカジュアルな服を着た「ネオホスト」というのが流行っているらしい。(うちの地方だけ?ではないはず)
VIPルームに通され、面接というか軽く雑談をして、簡単なアンケートに記入をさせられた。
どんな内容かと言えば
- 尊敬する人物
- 経験人数
- 欲しいもの
- 夢・野望
などなど。
うーん、さすがホストの面接…、と思いながらまあまあ真剣に記入をした。何人とチョメチョメしたっけな?と真剣に思い返して少しだけ数を盛った。こういうときいつも真面目に考えてしまう。
後輩はあまりにも一瞬で書き終えていたので、どんなことを書いたのかが気になってアンケートをチラリと盗み見してみたが、かなり適当に記入していた(笑)
さすが元ホスト!適当でええんや!
代表はアンケートを回収するとサッと目を通すも回答に対してはほとんど触れなかったが、僕の年齢についてはさすがに触れてきた。
「歳大丈夫ですかね?」
と聞いても、店側としては特別問題はないようだった。サバを読みたければ読めばいいし、正直な年齢で勝負してもいいし好きにすればいいとのこと。
そして今日一日ホストとして体験をするに当たって、源氏名を決めるように言われた。
これはセンスが試される…。
全く何も用意しておらず、「どんなのがいいですかね?」と助けを求めるも「誰かと被らなければなんでもいいよ」と返される。
「なんでもいい」というのが一番困る…。
ここにいるホストの源氏名を聞いてみても、カタカナだったり漢字だったりの人がいて統一感はない。後輩はもともと決めていたというアニメキャラの名前に決定。
ヤバイ、早く決めないと…、悩みに悩んで苦し紛れに決めた源氏名が…
善人(ヨシト)
www
絶対売れるわけねぇこんな名前のホスト!
だが却下されることなく、ここにアラフォーホスト善人が爆誕した。
夢のような時間
簡単にグラスの拭き方だけ教えてもらったら、先輩に付いて行き、カラオケルームにいるお客様に挨拶。
一人で来てるお客様で若いのに飲み屋のママをやっているらしく、可愛い。しかもメチャクチャお金を持っていた。生の札束を見たのは生まれて初めてかもしれない。
ホストの対応も僕が想像していたような感じではなく、友達みたいな感じでお客さんと接している。指名の担当ホストが女の子の隣で距離感近く話をするも、他のホストも交えてボケたりツッコんだり、普通にカップルと仲良しグループがカラオケに来ているような感じだった。
で、タダでお酒飲んで女の子としゃべって歌ってお金貰って…。
ホスト最高やんけ!
…解ってる。
人手不足のホスト業界。初日からキツイ想いをさせれば辞められてしまう。だから初日は楽しい面だけを見せてくれているのだろうと。
本気でやりはじめると大変なことも多くなることもわかってる。
それでも…、それにしても…。
ホスト夢あるわ…。
コール初体験
それからかなり長いことカラオケルームで飲んで遊んで(笑)ついに、僕と後輩はホール(っていうのかな?)に行き、バラバラの席に付いた。
ホールをキョロキョロ見ると、ぽっちゃりした子や華やかな子、地味な子、風俗嬢っぽい子、様々な女の子がホストとのひとときを楽しんでいた。
僕が付いた子は、またもや飲み屋のママらしく、若くて普通にキレイだった。若くしてママとして独立するのが流行っているんだろうか。
しかしなんなんだ。
こんな子たちがわざわざ高いお金を払ってホストに会いに来るってスゴいことだぞ。ナンパしてもガンシカされるレベルの子がホストの前で楽しそうにしている。
ホストのハロー(後光、権威)効果ハンパねぇよ!
ホストってだけでカッコよく見えるっていうのは実際にあると思う。
とはいえイケメンでない人も含めて、人気がある人は自然体だし自信がありそうでかっこよく見える。みんなそれぞれキャラが違って、誰かには刺さるであろうこともよく解った。
こんな感じで「ホストやべぇな…」なんて思いながら周りを観察していたら、マイクパフォーマンスがはじまった。
高いお酒を入れたお客様のところに呼ばれて、見よう見まねでコールに参加。シャンパンの回し飲みを応援したり、回し飲みに参加したり。
何度かのコールが終わったあとは、店内のお客様に僕らを紹介してくれ、本日の感想をマイクで述べた。
代表が締めのカラオケと締めの挨拶をすると、お客様も徐々に帰り始め、あっという間にホストの体験入店は終了した。
体験入店の感想
まさか30代後半にしてホストの体験入店ができるとは思ってもいなかった。
正直な感想を言うと、メチャクチャ楽しかった。
しかも先輩ホスト(全員歳下)はいい人ばかりだった。
もう少し、いや、あと15歳(どんだけ!)若ければ、本気でホストをやってみようと思ったかもしれない。
ただ、後輩の話を聞いていると、ホストとは女の子にお金を使わせる仕事なので、上に行くには結構エグいこともやらなければいけないらしい。
だから売れっ子ホストになるのは難しいかもしれないが、一度はやってみようと思ったかもしれない。非モテ特有の過剰な自意識をブチ壊すのにはとても有効だと思う。
さすがにもうこの歳ではやらないけどね。
この日の経験を糧に、ネオホストたちのあの自然体な感じを目指して、モテるための行動に励んでいきたい。